○上天草・宇城水道企業団談合情報処理要領
令和2年10月1日
訓令第6号
(趣旨)
第1条 上天草・宇城水道企業団が入札に付そうとする建設工事、業務委託又は物品の購入若しくは賃借(以下「建設工事等」という。)について、入札の適正を期すとともに、入札談合に関する情報(以下「談合情報」という。)に対して的確な対応を行うための手続について定めるものとする。
(公正入札調査委員会の設置)
第2条 上天草・宇城水道企業団に公正入札調査委員会(以下「委員会」という。)を置くものとする。
(情報の確認)
第3条 入札に付そうとする又は付した建設工事等について談合情報を受けた者又は知り得た者は、当該情報の提供者の身元、氏名等を確認の上、直ちに委員会の事務局(総務係)に通報するものとする。この場合において、新聞等の報道により談合情報を把握した場合にも、同様に取り扱うものとする。
2 談合情報の提供者が報道機関である場合には、報道活動に支障がない範囲で談合情報の出所を明らかにするように要請するものとする。
(談合情報に関する信ぴょう性)
第5条 信ぴょう性があり調査を必要とする談合情報であるか否かについては、次の事項を総合的に勘案し、判断するものとする。
(1) 談合情報の提供者
ア 提供者の身許情報
イ マスコミからの通報、問い合わせ等の情報
(2) 談合に関する具体的な内容
ア 談合の日時
イ 談合の場所
ウ 談合の参加者
エ 談合の対象建設工事等名
オ 談合の経緯
カ 談合の結果(落札業者、落札金額)
(3) 談合が行われたことを推定させるような談合情報以外の周辺情報
(公正取引委員会への通知)
第6条 委員会の審議を踏まえて、調査の必要があると判断した情報及びその対応については、手続の各段階において公正取引委員会へ通知するものとする。
(警察への通知)
第7条 委員会の審議を踏まえて、談合の事実があったと認められる証拠を得た場合は警察へ通知するものとする。
(報道機関等との対応)
第8条 談合情報を事務局が把握した以降において、報道機関等から発注者としての対応についての説明を求められた場合には、原則として委員会が対応するものとする。
2 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要があると判断した場合は、以下の手続によるものとする。
(1) 事情聴取
入札参加者全員に対して速やかに事情聴取を行い、事情聴取書(様式第4号)を作成すること。また、事情聴取は、入札までの期間、発注の遅れによる影響を考慮して、入札日の前の日までに行うか、又は入札開始時刻若しくは入札日の繰下げにより入札を延期した上で行うこと。
(2) 談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
ア 事情聴取等の結果、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、上天草・宇城水道企業団競争入札規程第6条を適用し、当該入札参加者を入札に参加させず、又は入札の執行を延期し、又は取り止めることができる。
イ 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、様式第5号により警察へ通知すること。
(3) 談合の事実があったと認められない場合の対応
ア 事情聴取等の結果、談合の事実があったと認められない場合には、すべての入札参加者から誓約書を提出させるとともに、入札執行後談合の事実が明らかと認められた場合には、入札を無効とする旨の注意を促した後に入札を行うこと。
イ この場合、すべての入札参加者に対し、入札に際し建設工事等費用内訳書の提出を求めること。
ウ 入札には、積算担当者(当該建設工事等の積算内容を把握している職員)が立ち合い、建設工事等費内訳書を点検すること。
エ 建設工事費用内訳書の点検において、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には無効とし、前号により対応すること。
(4) 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、様式第5号により公正取引委員会へ通知すること。
3 一般競争入札及び条件付一般競争入札(事前審査型)の場合は、競争参加資格があると認められるものを対象として事情聴取を行うこととし、条件付一般競争入札(事後審査型)の場合は入札書の提出期限後に入札参加資格者を対象として事情聴取を行うこととする。
(入札執行後に入札談合に関する情報を把握した場合)
第10条 入札執行後に談合に関する情報があった場合には、入札後においては入札結果を公表しており、落札者及び落札金額は既に閲覧に供されていることに留意しつつ、以下の手続によることが適切か否かを第4条により判断するものとする。
(1) 契約(仮契約を含む。)締結以前の場合
ア 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要がないと判断した場合は、入札を行ったもの全員から誓約書を提出させたうえ、落札者と契約すること。
イ 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要があると判断した場合は、以下の手続による。
(ア) 事情聴取
入札を行ったもの全員に対して速やかに事情聴取を行い、事情聴取書(様式第4号)を作成すること。
(イ) 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、様式第5号により公正取引委員会へ通知すること。
(ウ) 談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
a 事情聴取等の結果、明らかに談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、上天草・宇城水道企業団競争入札規程第7条第7号を適用し、入札を無効とすること。
b 談合情報報告書、事情聴取書、誓約書、開札調書の写しを添えて、様式第5号により警察に通知すること。
(エ) 談合の事実があったと認められない場合の対応
事情聴取等の結果、談合の事実があったと認められない場合には、入札を行ったもの全員から誓約書を提出させたうえ、落札者と契約を締結すること。
(2) 契約(仮契約を含む。)締結後の場合
ア 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要がないと判断した場合特別な対応はしない。
イ 委員会の審議結果を踏まえ、委員会において調査の必要があると判断した場合は、以下の手続によること。
(ア) 事情聴取
入札を行ったもの全員に対して速やかに事情聴取を行い、事情聴取書(様式第4号)を作成すること。
(イ) 談合情報報告書、事情聴取書、開札調書の写しを添えて、様式第5号により公正取引委員会へ通知すること。
(ウ) 談合の事実があったと認められる証拠を得た場合の対応
a 事情聴取等の結果、談合の事実があったと認められる証拠を得た場合には、建設工事等の進捗状況等を考慮して、契約を解除するか否かを判断すること。
b 談合情報報告書、事情聴取書、開札調書の写しを添えて、様式第5号により警察へ通知すること。
(エ) 談合の事実があったと認められない場合の対応
事情聴取等の結果、談合の事実があったと認められない場合には、特別な対応はしない。
(事情聴取の方法等)
第11条 事情聴取は、企業長が指定した者による複数の職員により行うものとする。
2 事情聴取は、事情聴取者の対象者全員を一社ずつ個別に呼び行うものとし、その際は、公正取引委員会及び警察へ通知する場合もある旨を伝えた上で必要事項について聞き取りを行う。なお共同企業体の場合については、構成員を個々に事情聴取を行うこと。
(誓約書の提出等)
第12条 事情聴取後に提出させる誓約書については、公正取引委員会及び警察へ通知する場合もある旨を通知したうえ、事情聴取の対象者から自主的に提出させるものとする。
(建設工事等費用内訳書の点検)
第13条 建設工事等費用内訳書の点検に当たっては、入札に際し、積算担当者が立ち会い、入札において、全入札者が入札書を入札函に投入した後に、積算担当者が建設工事等費用内訳書の提出を求め、談合の形跡がないか入念に点検し、開札するものとする。なお、事情聴取、建設工事等費用内訳書の点検を迅速に行う必要がある場合は、事情聴取と建設工事等費用内訳書の点検を並行して実施することができるものとする。
附則
この要領は、令和2年10月1日から施行する。